山陽新幹線岡山暫定開業から現在まで

建設の歴史

1960年代は現在と違い自動車や航空機が未発達で、鉄道が輸送機関の主役でした。その為、山陽本線の輸送力不足が問題となり、これを改善するため山陽新幹線の建設は急務とされました。しかし当時の国鉄は東海道新幹線(東京―新大阪)の建設で財政が悪化、山陽新幹線全線を一度に建設することが出来ませんでした。そこで、新大阪―岡山間と岡山―博多間の2回に分けて開業することになりました。

新大阪―岡山間は1967(昭和42)年3月に相生―岡山間の帆坂トンネルで起工式が行われ、開業したのは1962(昭和47)年3月になりました。

岡山―博多間は1969(昭和44)年12月に着工、1975(昭和50)年3月に開通しました。

ダイヤ・停車駅・所要時間の変遷

「0系ひかり」
初代新幹線0系「ひかり」

1972年に新大阪―岡山間が開業した時、東海道新幹線から1時間に2本の「ひかり」そのうちの1本は新大阪―岡山間をノンスットプで走る「Wひかり」(「W」は「西(WEST)」の頭文字)と呼ばれ、新大阪―岡山間を58分で走行しました。新大阪駅で2分停車するため、東海道新幹線東京―新大阪間の当時の所要時間3時間10分と合わせて、東京―岡山駅間を4時間10分で結びました。1975年に岡山―博多間が開業すると、岡山・広島・小倉と一部が小郡(現・新山口)の各駅に停車する「Wひかり」が2時間に1本設定され新大阪―博多間3時間44分東京―博多間6時間56分となりました。

「グランドひかり」
100N系「グランドひかり」

1986(昭和61)年11月には、東海道・山陽新幹線内は200km/h運転から220km/h運転になり、従来から20km/h引き上げられたため東京―博多間の所要時間は5時間57分に短縮されました。翌1987(昭和62年)4月に国鉄が分割民営化され、山陽新幹線はJR西日本の路線となりました。1989(平成元)年3月には100N系「グランドひかり」が登場。「グランドひかり」は山陽新幹線内だけ230km/h運転に引き上げられ、東京―博多間5時間47分新大阪―博多間2時間49分と、さらに短縮されました。

「500系のぞみ」
500系「のぞみ」

山陽新幹線への「のぞみ」の直通は、1993(平成5)年3月に開始、この時点で東京―博多間5時間4分新大阪―博多間2時間32分に短縮されました。1997(平成9)年3月には最高速度300km/h運転の500系「のぞみ」が登場。この車両はJR西日本が独自に開発したもので、新大阪―博多間の所要時間は2時間17分に短縮され、同年11月に東海道新幹線との直通が開始されると東京―博多間は5時間を切る4時間49分で結ばれることとなりました。

「700系のぞみ」
700系「のぞみ」

1999(平成11)年3月には700系が登場。この700系は300系の欠点を克服し500系よりも車両製造コストを抑えた車両です。東海道新幹線内での最高速度は270km/hですが、山陽新幹線ではそれまでより15km/h遅い、285km/h走行が開始されました。新大阪―博多間の所要時間は2時間25分で、300km/h運転の500系「のぞみ」最高速度が低いため、所要時間は8分長くなっています。

「ひかりレールスター」
700系E編成「ひかりレールスター」

2000(平成12)年3月、「ウエストひかり」に代わって「ひかりレールスター」が登場しました。「ひかりレールスター」の基本停車駅は新神戸、姫路、岡山、福山、広島、新山口、小倉の各駅ですが、新山口駅を通過して新下関駅か徳山駅に停車するものもあります。

「N700系のぞみ」
N700系「のぞみ」

2003(平成15)年10月のダイヤ改正で、新神戸駅に「のぞみ」の全列車が停車するようになり、300km/h運転の500系「のぞみ」は新大阪―博多間2時間23分にスピードダウンしました。基本停車駅である新神戸、岡山、広島、小倉だけに停車する"最速「のぞみ」"は徐々に減少して現在は1本もなくなり、すべての「のぞみ」が姫路、福山、徳山、新山口のいずれか1駅に停車しています。このため、300km/h運転の「のぞみ」の新大阪―博多間の所要時間は、さらに5分増の2時間28分となっています。

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